呼吸をするように

トレイルランを始めて、おおよそ一年半。
毎週1回走ることを目標にしてきた。
コースは御室八十八か所や宇多野、原谷など、10キロ前後、
高低差200~400mくらいの舗装されていない山道で、
1時間から1時間半くらいかけて走る。
近所の友達数人で早朝に走るのが常だけど、
その中の一人、フランス人のランナー、バートン君が、
起伏と景色に富んだ絶妙なコースをいくつも開拓してくれた。、

僕はそれに便乗しているだけ。
朝の清純な空気が漂う森の小道を駆け抜けるのは掛け値なく心地よいものだけど、
登り道はよほどでない限り、歩きません。走ります。みんなについていくために。
近頃、調子がいい時はましだけど、当然、一気に数百mも駆け上ると、
息が乱れる。そんな時、バートン君は「長く息をして、呼吸をコントロールしろ」という。
それはそれで至難の業だが、確かに、「走り続ける」ことができる。

昔、といっても、数年前だけど、大徳寺瑞宝院の前田住職に、
同じことを教えていただいたのを思い出す。
「君は物事を感じることを忘れ、いき急いでいる。座禅をしなさい。
丹田(おへその下指三つくらい)に集中し、呼吸をできるだけ長くすること。
そうすれば『ながいき』できるよ」。

そのまた昔、チベットの聖なる山、カイラスをコルラ(巡礼)したとき。
標高4000m以上の道を歩くのだけど、不思議な感覚になった。
それは「歩くことしか考えられなくなった」こと。余計な迷いや雑念がなくなり、
ただ、前に足を運ぶことにしか、頭が働かなくなった。

友人と走っているときにせよ、一人で座禅を組んでいるときにせよ、
長く息をするひと時は、忙しない毎日を過ごす僕にとっては、
物事にとらわれず、心を安らげる大切な時間。

そういえば、ダライラマが講演で「私は八時間瞑想するが、初めからできていたわけではない。
三十分、一時間、毎日何十年も少しずつ積み重ねて、できるようになった」とおっしゃっていた。
とりとめのない話だけど、一年半かけて、僕も少しずつ長く、早く走れる体力がついてきました。

呼吸するように、何事も長く続けられたら。
自然にできたら。
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# by arubekiyou3 | 2012-09-17 22:12

僕は夢の中で原稿を書く

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タイトルは、70近くになった、
尊敬する大先輩のライターさんの言葉。
取材の後、ざっと流れをつくりながら書き起こしをして、
そこから一切作業をせず、少なくとも1週間は、
ワインみたいに寝かせるのだとか。
すると、余計なあくがとれて、筋がくっきりと浮かび上がる。
「僕は夢の中で原稿を書くんだよ」と、笑っていた。


自分が今している、編集企画・ライター業は、
決して表現ではなく、クライアントの代弁をしながらも、
自分の思いもどこかにしっかりと込められているような、
不思議な仕事。先輩のコピーライターさんが言っていたけど、
「クライアントに喜ばれるより、クライアントが喜ばれるような仕事をしなさい」。


ムスメが、大きくなったら何の仕事をしよう、っていう。
思うのだけれど、一番合っている仕事とは、それによって、
一番より多くの人と、コミュニケーションや関わりを生み出せるものではないかと。
見つかれば何でもいい。僕の場合は、たぶん、文章を書くこと。
やっぱり、好きだから続けられるし。
(向き不向きは多少あります。僕は今の時点で絵がムスメより下手。
今頃絵描きになっていたらと考えると、ぞっとします)
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# by arubekiyou3 | 2012-06-14 00:11

60十代女性上司が僕に伝えた3つの格言

いま、通販の仕事で六十代の心をつかむ、
具体的には日常的な飲み物を売る方法を考えている。

親はおいておいて、自分の周りの六十代。
まず思い出したのは会社の女性上司。自分の母親と同じ歳。
先日も茶色いスーツ着てたら「春っぽくない」と指摘され、
おかげで伊勢丹で大枚はたいてセミオーダーの爽やかスーツを買う羽目になったよ。
その人はいろいろ名言を残す人で、思い出す順にあげると、

「男は愛嬌、女は度胸」。
要は仕事をする上で大切にすべきこということなのでしょうか。

「その場かぎりの誠実さ」
これは実感。仕事でそこそこピンチになっても、
さも相手のことをいつも考えているふり
(実際に考えているのですが)をして、問題を収める。
要望に精一杯答える(ふりをする)。
あとのことは帰って考える(その場では決して考えてはならない)。
相手が安心して、うまくいくようなことが多いと実感している。

「立脚点を見つけなさい」
仕事では、具体的に、自分の身を何で立たすのか、
立つだけでなくそれで社会に何ができるのか。
必要とされているか、それは確かか。
見つかった人は、強い。
大地に芽を張り風に揺られる、小さな春の野花みたいに。
何があっても、おひさまを見上げようとする。
何をしようと、それは覚悟のようなものだと思う。

思えば、人力車は除き、豆腐屋、編集プロダクション、今の広告企画制作会社と、
直属の上司はすべて女性でした。

最後に、今年のテーマは「明」に決めました。
明確に、明快に、明らかに。明るく。
金星のようになる。
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# by arubekiyou3 | 2012-04-11 02:43

piano piano

高木正勝さんのライブ「piano piano」に、行ってきました。
場所は木屋町の立誠小学校の講堂。
その真ん中にピアノが二つ。周りにカリンバやインドの手動オルガンはじめ、
民族楽器というセッティング。もう一人の出演者は原田郁子さん。
結果から先に言うと、すごいライブでした。

子ども連れオッケー、ということでしたので、
開放的な感じかな、と予想していましたが、それ以上。
ピアノの下に観客を招き入れたり、赤ん坊のしゃべり声にあわせて、曲を演奏したり。
休憩中には、楽器を触れたりもできました。
即興が発展して、ダンスタイム(うちの子どもも立ち上がって生き生きとした顔で、
手拍子してました)になったり、観客の歌が曲になったり。
そうそう、途中で席替えもありました。
自然の流れを感じる、繊細な音色の広がりは、言わずもがな。
何より人やその場の空気をそのまま音として自由に受け入れるスタイルに、感銘を受けました。

お二人が音で遊んで、観客も一緒になって楽しんで。
ありきたりかもしれませんが、「音楽」を感じました。

翌日、高木正勝さんの「Air's Note」を聞きながら、
「Note」って、なんかいい言葉だなと思いました。
目に見えないもの、感じたことを心のうちに記録する、記憶する、記す、書いてみる。
そうして音楽は、日々の生活のなかで、気づかないうちにたくさん生まれているのかも。
その響きに気づけたら、景色にある命をもっと感じられるんだろうな。
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# by arubekiyou3 | 2012-01-31 02:17

生きていく力

保育園の年長さん、来年から小学生になる娘が、
友達関係に悩んでいて、「心がくるしい」って、去年の終わり頃、泣いていた。
幼い子がそんな表現をするのか、そんなに我慢していたのかと、びっくりした。

今日、「周りの友達が優しくなった。お母さんありがとう」と言ったそう。
保育園で初詣に行って、「家族がもっと仲良くなりますように」とお祈りもしたんだって。
 
自分のことより、周りのことを考える。大人でも、というか、
自分は、なかなかできない。

子育てって、つかみどころがないけれど、教えるというより、
やぱっり一緒に学んでいくことなんやな、と思った。

話は前後して、その娘が、おととい、初めて自分のライブを見に来てくれた。
「うるさかった」と言っていたけどね。
その日、三歳の息子をはじめ、ご近所さんがお子さん連れでようけ来てくれた。
サイケをウリにしていたので、子どもが楽しめるのか、と正直、心配していたけど、
ずんずん前に来てくれたり、「帰りたくない」とノリノリになったり。
杞憂でした。
これまでは想像できなかった景色だけど、そんな姿を見て、
勝手に枠作らんでいいんやな、と思った。

どきどきもするけれど、そうやって世界を広げていくんだ。
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# by arubekiyou3 | 2012-01-11 01:04